Keito Corporation

乗り越えるべきハードル

当社で選定したシューズに初めて足を入れたとき、しばしばこのような光景を目にします。「合っているはずのトゥシューズなのに、あちこちが当たる」「きつくて足が入らない」

             

もしかして、シューズが小さすぎる? と思われがちですが、そうではないことがほとんどです。

そのような多くの場合、足の指が曲がっています。無意識に指を曲げてグーの状態で押し込んでしまっているのです。

足のすべての指にそれぞれ、伸びない絆創膏を巻き付けます。こうすることで、どの指も伸ばした状態を保てるようにします。たったこれだけの作業で問題が解決できるかもしれません。もちろん、それだけでは解決できない場合もありますが、まず一番最初に行うべき重要な作業です。

もうひとつ、よく目にする光景があります。「今までのようにポアントに乗り切れなくなった」という深刻な光景です。

このような現象が起こったとき、次のことを想い出してください。

今までのシューズでポアントするとき、勢いが必要だったのではないですか?

ポアントから降りるとき、バッターンとなりませんでしたか?

これを繰り返していると、先生が寄ってきて「ドゥミを通してください!」と注意されませんでしたか?

もし、お心当たりがあるのなら、まず間違いなく正統なポアントワークができていなかったと言えます。それでも何とかポアントできていたと思われるかもしれません。しかし、それは「乗り切れている」のではなくて「乗り切れていない」のです。

先生の注意には非常に重要な意味があります。ドゥミをきちんと通せなければバレエが踊れないのです。ドゥミが通せないままポアントすると乗り切ることができません。もし、その状態を乗り切っていると感じていても実は乗り切っていないのです。

それは単に上からトゥシューズにのしかかっている状態に過ぎず、自らの力でポアントしていません。自らの力でポアントしていない状態を「引きあがっていない」と言います。

なぜ、そのようになってしまったのでしょうか?一生懸命練習してきたはずなのに、なぜそのような基本的なことができないのでしょうか?練習のどこかに問題があるのでしょうか?足に問題があるのでしょうか?

答えはすべて「いいえ」です。

トゥシューズが合わないと必ずそうなります。そして合うトゥシューズに変えない限り永遠にそのままになるでしょう。

では、合うトゥシューズに変えた瞬間から、すべて解決してバレエの基本通りに踊れるようになるのでしょうか?

基本的には「はい」です。

しかし、実際には「いいえ」なのです。

今までのすべての練習は「合わなシューズの大変劣悪な制限の下」で多くの時間を費やして行われてきました。当然癖となって体に染みついています。なぜなら、体に覚えこませるために練習しているのですから。

「長い間、合わないシューズによって足が強要されてきた大変劣悪な制限」が突然取り払われたところでいきなり変われるはずがありません。

本当に変わるためにはそれなりの努力が必要になります。すなわち、今までの悪い癖を上書きする正統な新しい癖をつけなければなりません。

「今までの悪い癖を取り払うために頑張り続けられるかどうか?」が試されると思ってください。バレエの神様が貴方に与えてくれたこの試練こそが正統なバレエを踊れるようになるまでに越えなければならない最初で最大のハードルなのです。

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